Midge Ure Lx I xVxE Report

1999.7.4 "The Key Theatre", Peterborough
1999.7.6 "The Brook", Southampton
1999.11.22 "Tesil Warehouse (?)" , Chester

投稿者 磯崎 真弓 さん (2000.2.22 執筆)


私は1981年夏、イギリスのHastingsという町で英語のSummer Schoolに通っていた時に、ディスコでAll Stood Stillを初めて聴きました。ドキドキするくらいMidgeの声が素敵で、その後すっかりUltravox(といっても、私の場合はMidge加入後のUltravoxですが)にはまりました。なんといってもMidgeの声が大好きです。1982年と1983年の来日時にはたしか福岡公演以外は全部(東京公演も全公演)行ったほどの大ファンです。でも何回もいった割にはあんまりよく覚えていないのに、まじろうさんてすごく記憶力がいいんですね。私は大好きなMidgeがStageにいるだけで興奮していたような気がします。(1982年の来日時のMidgeは白のランニングシャツに黒のサスペンダー、会場に来ていた観客の男性がハードゲイのような服だとか言ってました。) 

それにしても14年ぶりのMidgeの髪の変化には驚きました。でも顔とかはそんなに変わってなくて、見慣れたらそれなりに渋くなった感じがして、やっぱり素敵です。結局4日間Sweet Basil 139に通いました。

初日はMidgeもあまり機嫌よくなさそうで、たしかMemberの紹介もしなかったし。でも日を追うごとに盛り上がってきて最終日のライブは本当に最高でした。BreatheのAlbumは好きだけどやっぱりUltravoxの曲を演ってくれると嬉しいです。私の一番大好きな"Man of Two World"を聴けたなんて大感激。それにVisageの曲を聴くたびにMidgeのVocalで聴いてみたいと思っていたので、Originalとは全く違う"Fade to Grey"にも超感激!!。Midgeの "Ah〜Ah Fade to Grey"と歌う声はSexyでEmotionalだし、ギターのアレンジもすごく良かったです。 

その後7月と11月にロンドンに行くことになっていて、ちょうどその時にMidgeがライブをすると知って、7月の時はPeterboroughとSouthamptonに、11月はChesterまで足を延ばしてMidgeのライブを楽しんできました。

"Not Quite Alone Tour"(Midgeとあと誰か一人) とかいうTourで、Full Bandでの演奏ではないのが残念。 チケット代は大体£12位(約2,000円)と驚くほど安いのです。PeterboroughとSouthamptonではTroy Donockleyが、ChesterではJosh Phillipsが一緒でした。

 

7月4日(日) "The Key Theatre", Peterborough

ちょうどこの時PeterboroughはFestivalの最中でその催しの一環としてMidgeのコンサートがあったようで、Peterborough Festival実行委員会みたいなとこで発行した新聞の見出しに"Midge brings 'Vienna' to Embankment (The Key Theatreのある場所のこと)"と書いてあって、やっぱりイギリスではMidgeというかUltravoxといったら"Vienna"なんですね。

驚いたことに観客は9割近くが40代後半以上(に見える)のサラリーマン風の男性と普通の主婦といった感じで、20代、30代の人はほとんどいないのです。会場であるThe Key Theatreは400〜500名位収容の公会堂のような建物で、客席は満席で私の席は前から5番目位の中程でした。

地元のアマチュア風男女のDuo(とってもダサイ)が前座をつとめて7〜8曲も歌い、その後やっとMidgeとTroyが登場。でもLightingとかそういうのはまったくなく、ただ客席が暗くてStageが明るいという感じです。
Midgeの服装はまたしても黒のパーカーで、横に白のラインがないのでSweet Basil 139の時とは別物のようです。

"Call of the Wild"でコンサートが始まり、Troyの Back Chorus ("Don't Go〜♪") は結構上手です。
Midgeはとっても気さくでひょうきんで、曲の紹介以外にも最近あったこととか、数年前からBathに住んでいる話とか結構よくしゃべります。
この日はなんといっても観客が年配の人ばっかりのせいか、ライブにつきものの「Midge〜!」とかいう叫び声とか、ヒュー、ヒューという口笛や歓声とかは一切なくて、でもとっても明るい人たちで、拍手はひたすら暖かく盛大でMidgeのTalkにもゲラゲラ大笑いしていて、なんかコンサートというよりは、地元のPTAかなにかの慰安会の余興のような......?
たしか"Field of Fire"を歌う前に、「The next song is from my last album you didn't buy……」とMidgeが言ったら、席の近くのおばさんが、あら私は買ったわよ! という感じで、「I did!」 と答えたら、次から次へ「I did!」、「I did!」、「I did!」とおじさん、おばさんの声の大合唱。Midgeも笑いながら「Oh, thank you, thank you, thank you, thank you, thank you ……」とあちこち向きながら答えて 「Very good people….」とか言いつつも、なんか勝手が違うなという表情をしてました。
とにかく和気藹々しすぎて、ライブの熱気とかとはほど遠く、Midgeも気が抜けてしまうのか、歌い方も雑なような.....
皆さんお待ちかねといったはずの"Vienna"はギターの弾き語り風で、KeyboardというかSynthesizerのない"Vienna"っていうのも...

2人だけの演奏だし、£12なんだし、しょうがないのかもしれないなと自分をなぐさめつつ、結局私のTensionは上がりそびれたままこの日のコンサートは終わりました。

 

7月6日(火)"The Brook", Southampton

翌日ロンドンに戻り、気を取り直して次の日Southamptonに向かいました。
この日の場所は "The Brook" という赤坂Blitzに似た感じのライブハウス。チケットには"Door Open: 8;00 p.m."と書いてあったのに、7:40頃The Brookに着いたら誰もいない。ひょっとするとコンサートは中止になってしまったのではと心配な気分でいたら、通りの向こう側でTroyが公衆電話で電話しているのが見えて、その上なんとThe Brookの2階の窓にブルーのT−Shirt姿のMidgeがGuitarを弾いているのも見えました。

このライブハウスは8:00にDoor Openしても実際に演奏が始まるのは9:30で、地元の人たちはそのことをよく知ってるようで9:00頃からどんどん人が集まってきて、9:30には超満員。入り口横にはBar Counterがあって、皆すごくよくお酒は飲むし、タバコの煙もすごい。私は立ち見のライブハウスとは知らず、ヒールの高いミュールを履いてきてしまい7:40頃からずっと立っていたせいか、ライブの始まるころにはもうすっかり疲れきってました。
今日の観客はPeterboroughとは全く違って結構若い人も多いし、服装もおしゃれだったり、素敵なカップルがいたり、ピアス系・タトゥ−系もいたりして、なかなか盛り上がりそうな雰囲気。

9:30頃になってやっとMidgeとTroyが登場。この頃には皆かなり飲んでいて最初からすごい熱気と歓声。MidgeもPeterboroughの時とは別人のように表情も真剣そうで、観客になめられまいとするような気迫とMusicianとしてのオーラも感じられて、とにかくすっごくカッコいい!!
この日は音響もよくて、ライブハウスのせいかSweet Basil 139の時よりもっとMidgeが身近で、ライブの臨場感というのを堪能できました。とにかく最高!! New Albumに入るという "The Refugee Song"という曲("♪Don't be surprised……♪)も一足早く聴くこともできました。ニュース番組だかDocumentary番組を見て感銘をうけて作ったとかで、きれいな旋律のちょっと物悲しい感じの曲です。それから私の大好きなLamentも演奏してくれて、この曲は本当にGuitar がいいのです。
日本と違ってここでは写真撮影OKで、あちこちでフラッシュたいてシャッターを切っていました。

Midgeは顔の汗を大きなタオルで拭きながら、「髪がすくなくなったらやたら顔に汗が落ちてくる」と言って、「Sean Connelly Yeah!」とか同じ年位の男性客に「You are next!」とか言ったりして、禿げネタで笑いをとってました。ちょっとトホホなMidge。

終盤になってTroyがソロでUillean Pipesを弾き始めるとMidgeは壁にもたれてその様子をやさしそうな表情で見つめていて... そのカッコよさに私がボーッとMidgeを見ていると、Midgeは微笑みかけてくれました!! そしてTroyのソロの演奏にMidgeのGuitarが加わって"Trail of Tears"が始まりました。Sweet Basil 139の時もそうだったけど、なぜかMidgeはこの曲をライブではFalsettoで歌いますよね。

そしてこの曲が終わってアンコールの前に一旦Stageからさがる時に、Midgeは私を指差して「The guest from Japan」と言ってくれました。日本から来たことに気づいてくれるとは、Sweet Basil 139に4日間も通いSouthamptonまで来たかいがあったというもので、去年1年間で一番幸せな気分の夜でした!? その後回りの人から何時間飛行機に乗ってきたのかとか、Midgeのライブは初めてかとか聴かれ、Midgeのライブのためにイギリスまで来たと思われたようで、"Wealthy girl"とか "Passionate!"とか言われて、あきれられてしまいました。

PeterboroughとSouthamptonでのライブのセットリストは以下の通り(Midgeのホームページより参照):
この時もUltravoxの曲を演奏する時はエレキギターで、ソロの曲の時はアコースティックと、持ち替えてました。

Call of the Wild
Fallen Angel
Dear God
Field of Fire
I see hope in the morning light
The Refugee Song
Lament
Homeland
Guns and Arrows
Dancing with tears in my eyes
Breathe
The Leaving
Vienna
Sinnerman
River of Gems
Trail of Tears
Cold Cold World

  

11月22日(月) Tesil Warehouse (?) , Chester

Tesil Warehouse(?)とかいう名前から倉庫を改造したライブハウスを想像していたら、大きめのPubのようなところで、奥に小さなStageがありました。
ギリギリの時間に着いたら、もう中は人でごったがえしていて100位ある椅子はすでにうまっていて、あとは立見のようでなるべくStageに近い壁際にやっと私の立つスペースを確保しました。Pubの方の椅子に座っている人も結構いましたけど、あそこからではStageはほとんど見えそうにないし。

Pineapple BandとかいうBandが前座を務め、7〜8曲も演奏してちょっとウンザリ。 彼らは一応プロのようで、MidgeのCDやT−Shirtの横に自分達のCDを並べて売っていました。

今回のライブはAcoustic Setということで、MidgeはAcoustic Guitarのみ。
カーキ色の厚手のT-Shirt姿でMidgeが「My huge band will join later.」と言って登場。前半はMidge一人だけでした。
MidgeのHomepageにこの時のライブのセットリストがまだ載ってないので、何の曲を演奏したのか全部はわかりませんが、たしかUltravoxの曲は、"Vienna", "Dancing with Tears in My Eyes", "All Fall Down"だけだったような...で、3曲とも弾き語り風。
弾き語りでもOKなのは"All Fall Down"くらいだと思うのですが...Midgeはこの曲を"very, very emotional song"と言ってました。

後半Joshが登場。MidgeとJoshは気心のしれた仲という感じで二人とも楽しそう。でもJoshは気を抜いているようで、弾き間違えたりして、Midgeに "You should say Sorry"と言われてました。
MidgeがタンゴのようなリズムでGuitarを弾き始めて、何の曲かと思ったら"Sister and Brother"で、私この曲好きです。
その他はBreatheのAlbumから"Breath", "Guns and Arrows"や"Trail of Tears"、Midgeが書いた曲ではないという"To Sir with Love"とかを演奏したのを覚えてます。
「Liverpoolに行ったら、皆自分と同じようなScottishなまりの英語を話していて親しみを感じたから、Liverpoolは大好きだ」とか言ったり、この日もとってもTalkの楽しいMidge、でも面白すぎてちょっとギター漫談のように見えなくもないような...?

この日の観客もとってもノリがよくて、アンコールの時など皆で床を踏み鳴らすものだから、「床がぬけそうだからStageに戻れと言われた」と言ってMidgeがすぐに出てきたり、とにかくすごい歓声で、とっても楽しい雰囲気でした。

アンコールの曲はあの"Do They Know It's Christmas Time?" で、Midgeと一緒に皆でこの曲を歌ってものすごく盛り上がりました。Band Aidの時はMidgeがソロで歌うパートが全然なくてとっても不満だったけど、やっぱりMidgeが歌うのが最高です。
そして「Merry Christmas! Cheers!」とMidgeが言って、ライブは終わりました。

1900年代の締めくくりの年の瀬に、Midgeと一緒に"Do They Know It's Christmas Time?" を歌って、楽しい時間を過ごすことができて本当に嬉しかったです。

 

 

皆さんもイギリスに行くことがあったら、MidgeのHPでライブの情報をチェックしてみて下さい。

SouthamptonのThe Brookはお勧めです。

 

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