投稿者 でにす・りーさん （1999.12.11 執筆）
「ジョン・フォックス先生のライヴを観た。」 ２年６組 でにす・りー
あれは1983年でした。ちょうど先生のアルバム「ゴールデン・セクション」が発売され、当時高校生の僕は音楽雑誌で先生の記事をチェックしてました。すると、ある雑誌で「ジョン・フォックス来日公演。東京／11月、厚生年金会館」の情報を発見しました。ウルトラヴォックスのアメリカツアー以来ライヴはやらなかった先生なのでもーびっくり。当時はチケットぴあ等は無かったので当然学校をさぼって整理券取りにいきました。
あまり乗り気でない友人を強引に誘っていよいよ当日。会場に入るとまず目に入ったのはステージ中央のシモンズのエレクトリック・ドラム。6角形のパッドを叩いて音源を鳴らす当時最先端のアイテムでした（最近ではあまり見かけなくなりましたが）。そして上手にはシンセサイザー／キーボード、下手にはベース、ギターアンプがセットされてました。ただ、ミッジ・ユーロ時代のウルトラヴォックスのような凝ったセットではなく、結構シンプルなものだったと思います。
開演時間を過ぎ、お約束の様に10分ほど時間を押していよいよ客電が落ちました。先生以外のバンドが現われ演奏が始まると客は総立ち（たぶん）、盛り上がった所で先生の登場です。「あー、いよいよあのミスター・クワイエットマンがでてくるんだ。きっとクールなんだろうなー。」と思ってたら、先生は白のシャツに白のパンツ、満面の笑みを浮かべ手を大きく振りながら現われたのです。僕は一瞬「え？」と思っちゃいました。やっぱり音や写真でクールなイメージってあったから・・・。とはいえそこは尻の青い高校生。心ではそう思いつつ歓声を上げて手を振り返したのでした。
ここでバンドメンバーについてですが、先に書いた通り、ギター、ベース、ドラムス、キーボードの4人+先生という編成でした。残念ながらメンバーが誰かという情報は僕にはわかりませんでしたが、唯一、ギタリストは元UVのロビン・サイモンでした。「システムズ・オブ・ロマンス」のジャケ写と比べると髪が短くなってましたが間違いないです。それに音が「システムズ〜」やマガジンのライヴアルバム「プレイ」のあの音でしたし（ちなみにギターは当時のミッジ・ユーロと同じヤマハSG）。
さてライヴ本編ですが、一言でいえば「ジョン・フォックス・オン・ステージ」といった感じでしょうか？バンドは本当に淡々と演奏し、先生は対照的に華麗に歌うという感じでした。基本的にマイクは手持ち。ステージ上を大きく動きながら片手を上げて歌ったり手を振ってました（さすがに走ったりはしませんでしたが）。ここでこのライヴの大きな特徴ですが、噂の通り先生はマイクを２本使っていました。でもこれにはちゃんと訳があったんですねー。一つは通常のマイクとして使用してましたが、もう一本はボコーダーに接続されていたのです。ボコーダーとは、声を電子的に加工してロボットの声のようにしたり、一人で和音、コーラスが出せるという機械なのです（YMOの「トキオッ」で有名なあれです）。ただこのボコーダーは同時にボコーダー用のキーボード等でフレーズを弾かないとうんともすんともいわないので、キーボードの人が先生の歌にあわせてコーラスパートを弾いていたようです。さあみなさん想像してください、白い服の先生が時に2本のマイクを持ち微笑みながら歌う姿を・・・。僕は今となってはちょっとカッコ悪い気もしますが、音楽的には彼らしいチャレンジだったと思います。その後他に誰もやらなかったけど。
ここで当日演奏した曲をレコードジャケット（ＣＤじゃないですよ）を見ながら思い出してみましょう。
“The garden”から
Europe after the rain
Systems of romance
When I was a man & you were a woman
Dancing like a gun
You were there
Walk away
The garden“The golden section”から
My wild love
Your dress
Endlessly
Like a miracle
Running across thin ice with tigers
The hidden manその他
Miles away
Slow Motion
Can't stay long
Quiet manう〜ん、たしかこんな感じだったかな？まあでも８割は合ってる自信あります。
ご覧のように「メタマティック」およびその時代のエレクトロな曲はやりませんでした。僕はどちらかというとそっちの方が好きなんだけど。あ、それから先生は何曲かはキーボードも弾いてました。確かアンコールは「The garden」をやったんですが、この曲で弾いていたのを覚えてます（この曲は間がもたないという事もあると思うけど）。あと、もちろんみなさんお気付きでしょう、ウルトラヴォックス時代の曲をやったんですよ！しかも3曲！！これは強烈に覚えてますね。「Slow Motion」のイントロが始まった時、「まさかSlow Motionなんかやらんだろ」と思ったら本当にやったのでブっ飛びました。まあこの3曲だけでも十分満足できる内容でした。それから、ライヴ終了後会場の外で非公認グッズが販売されていて、友人が旧ウルトラヴォックスのメンバー5人の写真入のレコードバッグを買ってました。そんなものがあったんですねえ。
どうでしょう？記憶をたどって書いてみましたが楽しんでいただけましたか？
個人的には当時とても興味のあったアーティストですし、なけなしの小使いで気合いをいれてゲットしたチケットだったので印象に残っています（でも「ゴールデン・セクション」「イン・ミステリアス・ウェイズ」は好きじゃないっす）。もし「そこは違う！」といった所があったら指摘して下さい。ではまた。
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