John Foxx Lx I xVxE Report
2008.09.21 & 22 東京 高田馬場AREA

投稿者 kensukeさん (2008.09.24 執筆)


「仙人、降臨。」

 夢ではありませんでした。テクノ仙人John Foxxの来日公演です。9月21日と22日の2日間、高田馬場AREAに行ってきました。

 時間ぴったりに仙人とLouis Gordonが登場。小さなステージに、シンメトリックに並びます。1曲目!アグレッシヴなメタル・ビートに乗って…いきなり聴き覚えのない曲。どうやら新曲です。そのおかげで、というのも変ですが、まるで新譜を初めて聴くときのようなモードに一瞬にして自分が切り替わりました。今まで何度もアルバムが出るたびに、自宅で厳かに行っていた個人的な儀式のようです。身体はとっくに騒ぎ出したがっているのに、一音も一句も聴き逃したくなくて、息を詰めてしまう。そんな状態に切り替わる。でも、今回は自宅の話じゃなくて、目の前に本物の仙人がいるんですけど。これは現実でしょうか?耳は必死で聴いている。でも、あ。気づいたら身体は踊ってるぞ。この鋼鉄ビートと仙人ヴォイス、踊らずにいられるか。最初からこんなんなってて自分は大丈夫なんでしょうか。かっこいい。かっこよすぎる!

 4曲目で早くもUltravox時代の曲が登場します。Ultravox期の曲も、鉄のようなソロ初期の曲も、歌い上げるポップ期の曲も、すでに10年を超えるLouisとの共作期の曲も、すべてが手品のようにシャッフルされて演奏されて。MCはほとんどありません。何度か「Thank you」と仙人が笑みを浮かべ、JohnがLouisを、LouisがJohnを紹介するのみ。過去30年以上にわたる曲のどれもが、今のふたりのアレンジで違和感なくシームレスに繋がっていきます。攻撃的なサンプリング音で始まる『Young Savage』も、美しいエレクトロニカ版『My Sex』も、ビートが強くなって歌い上げが控えめになった『Endlessly』も、昔の曲のリメイクには聴こえません。なんだか今の曲に聴こえる。なんだろう。つまり仙人はずっと変わっていない。ただ自分をバージョンアップし続けているだけだ。そこでつくづく、思ったのでした。なんてブレないひとなんだあなたはJohn! 胸に落ちて、ものすごく感動した自分がいたのでした。

 「説教臭くない押しつけがましくない自己陶酔しない見放さない」
 というのは、一緒に行って同じく感動した連れ合いの言です。

 今回のライヴについては、仙人にLouisに、それから関わった人たちに、感謝の念しかわいてきません。まあ音楽もビジネスだし、高いチケット代を払ったぶんいろいろ言いたくなるときも多いこの頃ではありますが、今回は本当に招聘元にありがとうと申し上げたい。音楽は商品でもあるけれど、商品であるためだけの音楽はいらない。スタッフもオーディエンスも、そんな感覚は共有していたように思います。等価交換だけで考える音楽なんて、つまらない。そんなことのために音楽をやっていない。なにより仙人、John Foxxその人の音楽と佇まいが、そう語っていたと思います。いや、語っていました。語っていましたよ間違いなく。



( アイズ ワイド オープン: 仙人、降臨。 より転載させていただきました。)

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