John Foxx Lx I xVxE Report
2008.09.21 & 22 東京 高田馬場AREA

投稿者 CIAN(しあん)さん (2008.10.23 執筆)


私が25年+αでお慕い続けているアーティストがおります。名前はJOHN・FOXX。UKのミュージシャンであります。
一般的にはULTRAVOX(初期のULTRAVOX!時代を含め)の最初のボーカリストで、その後、このバンドを脱退しソロで活躍。
4枚のアルバムを発表した後、しばらく活動休止してましたが、活動再開後は、アンビエント系の作品も発表しつつ、ルイス・ゴードンのサポートを得て、素晴らしくパワーがみなぎるテクノサウンドを創作、作品を頻繁に発表しております。

私とJOHN先生との出会いは某図書館。
中学生だもの、オカネなんぞありませんから、聞きたいアルバムは近所の図書館で視聴後、どうしても!というものだけセレクトして購入。

ある日、その図書館でJOHN先生のソロファーストアルバム「Metamatic」に出会いました。インデックスを見て「JOHN FOXXって変な名前(笑)」と思いつつ、引っ張り出したジャケットのその端整な横顔に中学生のガキンチョは、その場でノックアウト!!呆然としたまま視聴室で聞いたところ、音も最高に好み!!!!
テクノ少女であった私は、スグに同じインデックスにあった2nd「The Garden」とともに貸りてダッシュで帰る。

それから、何度も何度も何度も何度も。録音したテープをラジカセに入れて、ウチの縁側でいつもヘッドフォンで聞いてました。

その直後ぐらいに当時のJOHN先生ソロ最新アルバム「The Golden Section」を購入。さらにポップでアコースティックな感じが前面に出ている内容の素晴らしさに夢中で、特にその中でも「My Wild Love」とか「Like a Miracle」にヤラれました。
その後は、どんなに辛いことがあっても「Standing there Like a miracle!」と唱えると乗り越えられた。そんな日々が続きました。

そして、その直後に最初の「ミラクル」が起きました。急に来日公演が決定!!洋楽のコンサートのチケットは中学生には高価でしたが、私を救った神様に会えるのだから、とオカネを貯めて行きました。えーと全公演<オイ。
もう、とち狂っていました。でもコレでよかった。本当に素晴らしいLIVEだったので。

それから20年後。私は長年の憧れの地、英国に行くことになりました。帰国後、あまりにも最高な旅行だったのに何か胸につかえてしょうがなく、
JOHN先生のことが気になりWEB検索をして、サイトでULTRAVOXファンが集まるOFF会とい
うのに初めて参加しました。コレがよかった。
その時に知り合った仲間と、今度は2006年にJOHN先生とルイ・ゴードンのLIVEを英国に観にいきました。ロンドンとノッティンガムのLIVEはそれぞれ最高で、かなり無理な行程での旅行でしたが、人生をかけて行っただけの価値以上のものを得ることが出来ました。

ただ、JOHN先生はここのところ頻繁に新譜や企画盤などリリースが多くて嬉しいのですが、今後も日本で再度、LIVEを観ることは不可能に近いのでは?と思ってました。
今のLIVEはテクノを再構築した、素晴らしいボディービートなのに。どうして?・・・と。

それから2年後。なんとJOHN先生の再来日公演が決定しました!相方のルイ・ゴードンは初来日となります。
以前、JOHN先生25年前の初来日公演を知ったのは確か音楽雑誌でしたが、今回はWEBのSNSで。25年間の時の流れを感じます。
さらに、今回の来日公演のチケット発売日は、ULTRAVOXファンが集まる「ULTRAVOX STATION」の第17回目OFF会ともなりました。
確か、前回の初来日はたった1人で、某事務所前で整理券配布を待ちました。それに比べて今回は楽しいファンならではの濃い会話をしつつの発売待ち。
ここから既にファンの交流があることにカンゲキしきりです。
この発売後に恒例の飲み会となったのですが、いつも以上に心地よく酔ったのは、ほとんど徹夜状態だったから以外の理由もあったのは間違いありません。

それから、来日公演までの日々が長く感じられた、本当に長い長い日々でした。個人的にも大きな転換期になったせいもありましたが、
「すべては9月21日と22日のため!!」と思うと、辛いこともこなせました。
独立直後の日々を慌しく過ごしつつも、来日前夜祭であるDJイベント「Metamatic Night」を有志とともに企画し、来日を待ちわびる最高のウォーミングアップが出来ました。もう遠足の準備は万全。オヤツは300円まで(嘘)。

こうして無事に9月21日と22日はやってきて、JOHN先生、ルイちゃん、そしてスタッフ一同も準備万端。
2日間のLIVE会場となった高田馬場AREAは、両日ともにJOHN先生を慕う方々でパンパンの満員です。
そして25年を隔てた時間は、最初に演奏された未発表の最新曲”Walk This Way ”で溶けて私たちの長い期待に呼応し、これが良い心地となって沁みこんでいきます。
ここからは、もう1曲、ルイちゃんとのコラボ後の曲”A Million Cars”で「We can go from here!(僕達はここから行くことが出来るんだ!)」というサビで「そうして来てくれたんだ!」という思いで胸がいっぱい。

この後は、なんと”Dislocation”!!キターーーーという感じでフロアが一気に熱気を帯びます。続けざまの”The Man Who Dies Every Day”では狂喜の声もあがります。
25年前の初来日時はJOHN先生のソロアルバム”The Golden Section”リリースに伴うLIVEツアーだったので、どうしてもULTRAVOX時代の曲はあまり披露されなかったのですが、今回はそんなファンの熱い思いを反映したのか、このチョイスは嬉しかった!

そして再びルイちゃんとのコラボ後の曲”Camera”。個人的にはとても気に入っている曲で、2年前の英国2公演では披露されなかったので感涙。やさしいJOHN先生のヴォーカルにうっとりです。
続く”Uptown / Downtown”もちょっと小走りになるテンポが心地よい1曲。この可愛い雰囲気のアレンジはルイちゃんの功績が大きそう。コレも私にはツボです。

ここから怒涛の展開!イントロが流れた途端に「ぎゃあ」となった”Underpass”に”No-one Driving”!初来日時にナゼか披露されなかった1stソロ”Metamatic”からのチョイスです。
さらにキタキタ”Burning Car”!もう会場内は大合唱で、ここは2年前のノッティンガム公演か?と錯覚するほど。テンション高くて凄すぎます!!
JOHN先生はオーディエンスの反応のよさに思わずノリノリ。ルイちゃんもいつも以上に煽っております!!いけーー!!
締めに持ってきた”Shadow Man”がガッツリの四つ打ちテクノで大興奮!”Shadow Man”ってこんな良い曲だったっけ?<オイオイ。思わぬ展開で目が回りそうです。

もう何が何やら分からんうちに一旦、終了。アンコールを求める声援と拍手が波のように打ち寄せています。
そんな熱いオーディエンスに応えるように再度登場したJOHN先生とルイちゃん。表情がとても和やか、そして”The Garden”のイントロが流れます。
一気に教会の中に入ったような音の空間のなか、JOHN先生の信者たちは厳かな気持ちで一心に集中しています。
私はこのイントロが流れたとき、縁側でヘッドホンで聞き続けていた25年前の私がいました。
この”The Garden”の演奏が終わった後、一瞬、時の止まった様な沈黙は「この場にいれたことの感動」を示したように思えました。

この後に更なるサプライズ!ナント(多分)31年間、LIVE演奏のなかった名曲”Young Savage”!!
DJイベント「Metamatic Night」でプレイしてもらった時の狂喜乱舞ぶりが記憶に新しかったので、本当にコレがLIVEでも実現しちゃたから、さらにビックリ!
もうフロアはグチャグチャ!!大合唱(しかも太い声あり)!!さらに続くは”My Sex”。もうダメです。気持ちのリミッターが切れてきて号泣。

そしてフィナーレは、初来日が”The Golden Section”ツアーだったにも関わらず、なぜかシングルカットされたのに演奏されなかった”Endlessly”の登場!
25年前の皆の思いが一気に弾け飛びます!最後の最後まで一気に走りぬけた感のLIVEは、こうして幕を閉じました。

今回の公演は持ち込みの機材の都合もあり、両日ともに同じセットリストでおこなわれました。
さらに、1日目はほんの一部ですが機材のトラブルもあったのですが、2日目には回避されていて安心。
あと、JOHN先生がご自身も思った以上にLIVEで弾けていらしたようで「日本のオーディエンスのレスポンスの良さに、思わず張り切って、ちょっと疲れてしまった」とのことでした。しかし、肝心のヴォーカルのお声は2日共にバッチリ!ルイちゃんは・・・相変わらず何時でも、何所でも元気でした。よかったね。

あと、会場ではプロジェクターを通してステージ後方にDVDによる映像を投射しておりました。これが、当初小さな白いスクリーンに投影する予定だったのですが、リハの際に英国スタッフが機転を利かせて小さいスクリーンを取り払って、ステージの黒い壁に直接投射する方式に変更してました。
最初、これでは見にくいのでは?とも思ったのですが、客電が落ちてステージのライトアップの下だと、何とか見えるし、ライトアップの一部として考えると、なかなかのアイデアだったなー、と感服。ちなみにこのフタッフは英国公演でも舞台関連のセッティングをしていました。

今回の来日公演の収穫でJOHN先生以外の話題としては、ルイちゃんの功績の大きさが分かる良いキッカケになったのでは?とも考えてます。
彼のアグレッシブなLIVE演奏スタイルもさることながら、彼の音楽性と創作意欲により、JOHN先生がうまくリードされて、ここのところの新作連発にも繋がっているのかな?と再認識しました。さらに、今回ルイは自身のソロアルバム”Blind Anorexic”も販売されました。
近く、彼は新作ソロも発売予定なので、ぜひとも合わせてのご購入をお願い申し上げます!!<宣伝です。

・・・それから、公演後の嬉しいバタバタを経て、JOHN先生ご一行様は、無事に英国にお戻りになられました。
この後、私は某SNSネームにおいて、JOHN先生を神格化しました。今回の公演では演奏されなかった”Pater noster”。
この歌はスタンダードな聖歌でありますが、私の中ではこれからJOHN先生を慕う心の曲になります。


Pater noster, qui es in caelis
天におられます わたしたちの父よ,

sanctificetur nomen tuum
あなたの み名が崇められますように,

adveniat regnum tuum
あなたの み国が来ますように,

fiat voluntas tua, sicut in caelo, et in terra.
あなたの み心が行われますように,天におけるように,地の上において も.



凄く辛かった日々。その中で手を差し伸べ続けたJOHN先生の音楽に再び触れて救われている自分を、帰国後に再確認したら涙が止まりませんでした。
今度は私たちがJOHN先生をサポートしていく番なのです。だからあまり「ありがとう」って言わないで。感謝しているのは私たちの方ですから。

今回も彼らは、素晴らしい「ミラクル」を起こしてくれました。また絶対、近いうちに日本で再会しましょう、JOHN先生&ルイちゃん!!

CIAN:記



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